- かい
- I
かい(終助)〔終助詞「か」に終助詞「い」が付いてできたもの〕文末に付いて, 質問・反問の意を強める。 か。
「入ってもいいです~」「そんなことあるもん~」
〔近世以降, 話し言葉に用いられた語〕IIかい【下位】(1)地位や順位などが低いこと。「~の力士」
(2)〔論〕 ある概念が他の概念に包括される関係にあること。 例えば, 「動物」に対する「人間」。⇔ 上位IIIかい【下意】しもじもの者の意思。 大衆の考え・意見。 民意。⇔ 上意「~上達」IVかい【会】(1)一定の目的をもって人々が集まること。 また, その集まり。 集会。 会合。「~を開く」
(2)目的や趣味・学問などを同じくする人々が組織する団体・組織。V「野鳥の~」
かい【匙】〔もと貝殻を用いたところから〕さじ。VI「箸(ハシ)・~など, 取りまぜて鳴りたる, をかし/枕草子 201」
かい【卵】たまご。 また, そのから。 かいご。VII「~のうちに命こめたる雁の子は/宇津保(藤原君)」
かい【回】※一※ (名)ある事柄を反復して行う時の一つのまとまり。「~を重ねる」
※二※ (接尾)助数詞。 数または順序に関する語に付いて, 度数・順序を数えるのに用いられる。VIII「五~」
かい【害】〔漢音〕妨げ。 支障。 災い。IX「お身の~とも成る時は/浄瑠璃・反魂香」
かい【峡】〔「交(カ)ひ」と同源〕山と山との間の狭く細長い土地。X「狭き山の~に出でぬ/即興詩人(鴎外)」
かい【快】気持ちがよい・こと(さま)。XI「~をむさぼる」「~なるかな」
かい【怪】ふしぎなこと。 あやしいこと。XII「山荘の~」
かい【戒】(1)いましめ。 訓戒。(2)漢文の文体の一。 訓戒を目的としたもの。(3)〔梵 śīla〕仏教の信者が守るべき行動の規範。 戒律。 禁戒。XIIIかい【掻い】〔「かき」の転〕動詞に付いて語勢を強め, また語調を整える。XIV「~くぐる」「~つまむ」
かい【果位】円満具足した仏果の位。⇔ 因位「無上の~にのぼらせたまふ釈迦だにも/咄本・醒睡笑」XVかい【楷】漢字の書体の一。 楷書。XVIかい【櫂】〔「掻(カ)き」の転〕(1)船具の名。 水をかいて船を進めるのに使う。 木製で上半分は丸い棒, 水中に入る部分は平らに削ってある。 和船用のものは握る側に T 字形の短い柄がある。(2)醤油・酢などを造る時, 樽の中の原料をかきまぜる木製の用具。(3)家紋の一。 {(1)}を組み合わせたもの。 三違櫂(ミツチガイカイ)・五違櫂など。~は三年櫓(ロ)は三月(ミツキ)櫓に比べて櫂の使い方がむずかしいことをいう。XVIIかい【歌意】歌の意味。XVIII「~を説く」
かい【甲斐】旧国名の一。 山梨県全域にあたる。 甲州。XIXかい【甲斐・詮・効】その行為に値するだけのしるし。 また, それだけの値打ちや効果。 せん。「頑張った~があった」「苦労の~がない」
→ がい(甲斐)XXかい【界】(1)生物を分類する際の最高次の区分。 動物界と植物界などに分ける。(2)地質時代を区分する時の「代」に相当する期間に堆積した地層。 例えば古生代に堆積した地層は古生界という。(3)さかい。 区画。XXIかい【粥】「かゆ」の転。 [ヘボン]XXIIかい【華夷】〔「華」は中国, 「夷」はえびす〕中国と外国。 また, 開けた国と後れた国。XXIIIかい【解】(1)説明。 解釈。(2)〔数〕〔solution〕方程式を成り立たせる未知数の値(根)。 不等式を成立させる未知数の値, またそのような値全体の集合。 または, 微分方程式などを満足する関数。(3)与えられた問題の答え。(4)漢文の文体の一。 疑惑や非難にこたえることを目的としたもの。XXIVかい【貝】(1)かたい貝殻(カイガラ)をもった軟体動物の総称。 二枚貝・巻貝(マキガイ)・角貝(ツノガイ)などを含む。 多くは水中にすむ。(2)貝殻。「~細工」
(3)ほらがい。「~をにはかに吹き出でたるこそ/枕草子 120」
(4)「貝合わせ」の略。「~の御勝負/御湯殿上(文明一九)」
~を作・る〔口の形が「へ」の字になり, 蛤(ハマグリ)の形に似るところから〕べそをかく。 泣き顔になる。XXV「~・るもいとほしながら/源氏(明石)」
かい【買い】(1)買うこと。「安物~」
(2)相場の値上がりを予想して買うこと。⇔ 売りXXVIかい【階】※一※ (名)(1)多層の建築物のひとつの層。「上の~」
(2)地質時代を区分する時の「期」に相当する期間に堆積した地層。(3)官位。 等級。「~越えて学士の右大弁三位になる/宇津保(国譲下)」
(4)階段。 きざはし。※二※ (接尾)助数詞。(1)建築物の層を数えるのに用いる。「二~建て」
(2)位階の等級を数えるのに用いる。XXVII「一~越えて, ないしのかみ三位の加階し給ふ/宇津保(蔵開下)」
かい【隗】⇒ 郭隗~より始めよ〔「戦国策(燕策)」にある郭隗(カクカイ)の故事。 隗が燕の昭王に, 賢臣を求めるならまず自分のようなつまらない者を登用せよ, そうすれば賢臣が次々に集まって来るだろうと言ったことから〕(1)遠大な事をするには, 手近なことから始めよ。(2)転じて, 事を始めるには, まず自分自身が着手せよ。XXVIIIかい【魁】さきがけ。 先鞭(センベン)。「時代の~となす」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.